オーストラリアで、配偶者を亡くした人の年金や相続に関わる税負担のあり方が改めて議論になっています。現地報道では、いわゆる「widow’s tax(未亡人税)」という表現も使われ、政府側の説明が注目を集めました。

今回話題になっているのは、新しい税金が導入されるという話ではなく、退職年金制度(スーパーアニュエーション)や相続時の税の扱いによって、家族を亡くした後の資産移転で想定以上の負担が生じる場合があるという点です。報道によると、政府の関係者は制度全体の公平性や税の設計について説明を求められており、今後も政治的な論点として取り上げられる可能性があります。

オーストラリアでは、老後資金として積み立てるスーパーアニュエーションが生活設計の中心にある一方、誰が受取人になるか、税務上どの区分に当たるかで扱いが変わることがあります。配偶者や扶養関係にある家族への支払いと、それ以外の家族への支払いでは課税上の差が出ることがあり、これが「わかりにくい」「悲しい出来事の直後に複雑な手続きが必要になる」といった不満につながっているようです。

パース在住の日本人にとっても、これは無関係な話ではありません。永住者や長期滞在者だけでなく、就労ビザで働く人でもスーパーアニュエーションに加入しているケースは多く、万一の際に残された家族がどこで手続きをし、誰が受け取り、どのような税務上の扱いになるかは早めに確認しておく価値があります。日本とオーストラリアでは相続や年金、受取人指定の考え方が異なるため、日本の感覚で「配偶者なら自動的に同じ扱い」と思い込むと、後で戸惑うことがあります。

特に確認しておきたいのは、次のような点です。

  • スーパーアニュエーションの**受取人指定(beneficiary nomination)**が最新になっているか
  • 事実婚を含む家族関係の証明が必要になる可能性があるか
  • 子どもが受け取る場合に、税務上の扱いがどう変わるか
  • 日本に住む家族が請求手続きをする際、必要書類や翻訳、認証が求められるか
  • 遺言書、生命保険、スーパーアニュエーションが別々の制度として扱われる点を理解しているか

今回の報道は単独ソースに基づくもので、現時点で制度変更が正式決定したという内容ではありません。ただ、生活費や住宅ローンの負担が重いなかで、家族の死後に生じる手続きや税負担への関心が高まっていることは確かです。オーストラリアで働いている日本人家庭にとっては、節税の話としてだけでなく、残された家族が困らないための準備として受取人指定や専門家への相談を見直す良い機会と言えそうです。

今後、連邦政府や与野党の間でこの論点がどのように整理されるかが焦点になります。制度の詳細は個別事情で大きく変わるため、パースで資産形成をしている人は、会計士やファイナンシャルアドバイザーに一度確認しておくと安心です。

※豪州の相続課税見直し論は、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。

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